サケの産卵環境を回復させたい!

SWSPは、自然産卵によって生まれる野生のサケを増やすことを目的に、行政・建設業者・研究者・研究機関・個人の協力を得て、豊平川でサケが産卵しやすい環境づくりを進めています。

2015年から実施している取り組みをご紹介いたします。


どこで?

豊平川に遡上してきたサケは、北13条大橋周辺から藻岩橋周辺までの区間で多く産卵しています。SWSPでは、この区間の中で場所を選定し、サケの産卵環境の回復に向けた取り組みを2015年から行っています。


どんな工事?

【2015年】- 人力による河床耕起 -

細かな土砂が堆積し河床(川底)が硬く締まっている箇所を、サケが産卵できるように耕しました。

スコップやツルハシなどでグリグリ、ガシガシ...

大人8人で3時間、幅5m×長さ14m、深さ20cmを掘りました。

しかし、この年、サケはこの場所には産卵しませんでした。

とても残念でしたが、サケが産卵するその小さな範囲だけを見るのではなく、湧水・伏流水や砂利の流れなど、もっと大きな範囲も視野に入れて考えるべきなのだと学びました。

■詳しくはこちら (クリックするとリンクに飛びます)

水辺の小さな自然再生事例紹介

・SWSPニュースレター「僕たちは、サケの産卵場をつくれるのか?」p.39~43


【2016年】- 護岸工事時の河床耕起 -

札幌河川事務所や、豊平川の護岸工事を受注された新太平洋建設(株)さまのご協力により、重機での河床耕起を実施しました。

護岸工事の現場周辺の川は、流れの速い"瀬"の環境だったため、川幅を広げ、水深の浅い、流れの緩やかな環境を作りました。

耕起範囲は幅5m×長さ30m、深さ30cm。

重機を借りることで、前年より広い範囲を耕すことができました。

しかし、この年、サケはこの場所には産卵しませんでした。

工事現場の近くで施工するという制約がありましたが、これをサケの産卵適地で実施できれば効果が出やすいのではと感じました。

■詳しくはこちら (クリックするとリンクに飛びます)

水辺の小さな自然再生事例紹介


【2017年】- 閉塞した水路の復元 -

札幌河川事務所や道興建設(株)さまのご協力により、重機での水路掘削や泥の排出を実施しました。

石狩湾漁協には事前説明を行い、ご理解を得ています。

施工箇所は、湧水があり、元々は後期群のサケの産卵適地だった場所です。しかし、近年は砂利の上に泥が堆積し、サケの産卵が減っていました。

そこで、重機により閉塞した水路を掘削し、泥の流出をはかるとともに、サケが産卵できる水路を造成しました。

その結果、湧水のあるワンド内に19ヶ所、さらには水路内にも5ヶ所のサケの産卵床が確認されました。

また、この場所で小学校のサケ観察会を実施することができました。

環境改善後すぐに効果が現れましたが、2018年の出水で流入口に土砂が堆積してしまいました。

こまめにメンテナンスをすることで、良い環境を長く維持できるように取り組む必要があると考えられます。

施工前
施工前
施工後
施工後

【2018年】- 閉塞した水路の復元 -

札幌河川事務所や(株)北英建設さまのご協力により、重機での水路掘削や水路の通水作業を実施しました。

石狩湾漁協には事前説明を行い、ご理解を得ています。

また、SWSPが札幌市環境局のまちなか生き物活動運営業務を受託することにより、札幌市にも参加してもらうことができました。

施工箇所は、湧水・伏流水があり2012年まではサケの産卵が見られていた場所ですが、下流端に土砂が溜まり、遡上してきたサケが水路に入れなくなっていました。

そこで、重機により上流部と下流部を掘削して通水し、水路の幅も広げました。

その結果、この水路内には合計90ヶ所もの産卵床が確認され、水路内に数十尾の親サケが見られる状態が続きました。

河床の撹乱を低下させていた周辺の樹木を伐採したことで、岸から市民がサケを観察しやすい環境となり、小学校の観察会も実施されました。

出水時の土砂移動が頻繁にあるため、造成した環境が長く維持されるよう、豊平川の河道変遷や砂州の発達傾向を把握し、効果的な産卵環境の造成方法を見つけ出したいと考えています。

施工前
施工前
施工後
施工後

【2019年】- JR鉄橋上流での水路掘削 -

札幌河川事務所や道興建設(株)さまのご協力により、重機での水路掘削を実施しました。

施工箇所は、2017年に水路掘削の工事を行いサケの産卵床数が回復した場所で、2018年の出水により流入口に土砂が堆積してしまっていました。

今年は2017年の工事よりも上流から掘削を行い、水路に水を引き込みました。

いよいよサケの遡上シーズンが始まったので、今回の施工箇所で産卵箇所が増えてくれることに期待です!

現地にはこの掘削についての看板が設置されていますので、ぜひサケの観察にいらしてみて下さい!

また、JRからも見ることができますので、ぜひ豊平川に目を向けてみて下さい。

■工事の様子はTwitterでも配信しています (クリックするとリンクに飛びます)

産卵環境改善工事の様子

施工前
施工前
施工後
施工後

★サケが産卵しました!★

豊平川を遡上してきたサケが、8月末に掘削を行った水路に入ってくれました!

産卵床が複数できていました!

【2019年】- 水穂大橋下流での流量回復工事 -

札幌河川事務所や北土建設(株)さまのご協力により、重機での流量回復工事を実施しました。

施工箇所は、2018年に水路掘削の工事を行いサケの産卵床数が回復した場所です。

流入口に土砂が堆積して水路に水が流れなくなっていたため、流入口を掘り下げたり広げたりする工事を行い、水路に水を引き込みました。

草刈りやヤナギの除去も行ったため、岸から水路が見えやすくなりました。

サケの遡上シーズンも後半戦になりました。

今回の施工箇所でサケが産卵してくれることに期待です!

現地にはこの掘削についての看板が設置されていますので、ぜひサケの観察にいらしてみて下さい!

 

■工事の様子はTwitterでも配信しています (クリックするとリンクに飛びます)

産卵環境改善工事の様子